労災と精神疾患の関係性

労働災害が発生した際に労働者が被災した場合、会社は民法上の損害賠償責任を負うことがあります。労災と聞くと、現場作業や機械作業がない職場には縁のない話のように思えるかもしれませんが、精神疾患が労災と結びつく可能性もゼロではありません。
そのため、企業は社員一人ひとりに対し、適切なメンタルヘルスケアを行う必要があります。

労災の三要件

厚生労働省は、精神障害の労災認定基準として以下の要件を挙げています。

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

上記の要件によれば、パワハラやセクハラはもちろん、長時間労働や過剰すぎるノルマなど、業務による強い心理的負荷があった場合に労災になるとされています。
もし、従業員が精神疾患を患い、労災と認定されてしまうと、企業側はどうなるでしょうか。社員に対する損害賠償請求の支払いを免れないことは当然として、社会的信用の失墜により、抜き差しならない経営状況に陥ることも考えられます。

使用者の安全配慮義務

労働契約法第5条では、「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命・身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されています。これは現場・機械作業における従業員の肉体的安全はもちろん、従業員の心、すなわち精神的安全も該当します。社内が過酷な労働環境になりがちであれば、早めに環境改善を図り、社員に対する適切なケアが必要となります。

安全配慮義務が重要視されるキッカケとなった判例の一つが、長時間労働の結果うつ病を患い自殺した事件です。この事件は、ある大手広告会社での慢性的な長時間労働により精神疾患(うつ病)を患い、新入社員A氏が自殺に至ったことに対する損害賠償責任が認められた事案です。

大手広告会社が裁判に負けた理由は多岐に渡りますが、A氏が恒常的な長時間労働に従事していることや健康状態が悪化していることを認識していながら、適切な措置をとらなかった点が大きな敗因となっています。事件後も、過酷な労働環境から精神疾患を患い裁判となった事案は多数あります。このような企業負担を軽減するためにも、全社員へのメンタルヘルス研修やセミナー・講習会などの実施は必要なのです。

また、社員のメンタルヘルス(心の健康)は、会社組織の健康でもあります。
安全配慮義務という義務感に追われながらメンタルヘルス対策を行うのではなく、「会社組織をより強化する」「人材を大切にする」という視点を持って、メンタルヘルス対策を行ってはいかがでしょう。

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メンタルヘルスについて学びながら具体的な改善策を掴むことができるので、メンタルヘルス対策を図りたい企業様はぜひご利用ください。なお、メンタルヘルス研修の内容などに疑問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。


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